日経サイエンス  2015年1月号

フロントランナー挑む 第45回

アフリカの森林でエボラウイルスを追う:高田礼人

長倉克枝(科学ライター)


西アフリカで猛威を振るうエボラウイルスはどこからきたのか
感染源となる動物を探してザンビアの森に分け入り
治療薬の開発にも取り組む

 

 

無造作に伸びた髪と髭。高田礼人は大学教授というより,バックパッカーといった方が似合いそうな風貌だ。実際,ザンビア,モンゴル,米国,インドネシアなどを年中飛び回っている。目的は病気を引き起こすウイルスの探索。現在照準を合わせているのは,西アフリカで猛威をふるっているエボラウイルスである。 (文中敬称略)

 

エボラ出血熱の流行は,いまだ収まる気配もない。ウイルスは一体どこからきたのだろうか。おそらく日ごろアフリカにすむ動物の体内に潜んでいるウイルスに人間が感染し,アウトブレイクを起こしたのだろう。高田は感染源となる動物を突き止めようと,ザンビアのコウモリとサルの体内にエボラウイルスを探している。またウイルスの細胞侵入メカニズムから迅速診断法や治療法の開発まで幅広く取り組む。おそらく今,日本で最もエボラウイルスに詳しい男である。

 

 

再録:別冊日経サイエンス204「先端医療の挑戦 再生医療,感染症,がん,創薬研究」

高田礼人(たかだ・あやと)
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター教授。1968年東京都生まれ。93年北海道大学獣医学部卒業,96年同大獣医学研究科修了,博士(獣医学),97年同大獣医学研究科助手,2000年東京大学医科学研究所助手,05年より現職。07年よりザンビア大学獣医学部客員教授,09年より米NIHロッキーマウンテン研究所の客員研究員に。専門は獣医学,ウイルス学。

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