日経サイエンス  2014年11月号

特集:新説 宇宙の起源

 暗黒物質,暗黒エネルギーなど宇宙には様々な謎があるが,最大の謎はその起源だ。宇宙は密度無限大の点から始まったとされるが,そんな奇妙なものがなぜ存在したのか? この謎をうまく回避できる大胆な仮説が提唱された。私たちの3次元宇宙が生まれる前から4次元の宇宙が存在し,そこで起きた超新星爆発とブラックホールの形成が私たちの宇宙の始まりだとするシナリオだ。宇宙は9次元空間で万物の根源は極微の弦であるとする「超弦理論」の研究から別のシナリオも浮かび上がってきた。弦の振る舞いを忠実に再現する数値シミュレーションを行ったところ,最初,極微のサイズに縮まっていた9次元のうち,3次元だけが急に広がり始めたのだ。これは私たちの3次元宇宙の誕生の再現なのかもしれない。だとすると,宇宙の誕生は超弦理論が内包する未知のメカニズムによってもたらされた可能性がある。

 
 

始まりは4次元ブラックホール  N. アフショルディ/R. B. マン/R. プルハサン

超弦理論が明かす宇宙の起源  中島林彦/協力:西村淳

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