日経サイエンス  2014年9月号

特集:記憶の謎に迫る

脳指紋は語る

中島林彦(編集部) 協力:柿木隆介(自然科学研究機構生理学研究所) 平 伸二(福山大学)

 本当は知ってるのに,とぼけて知らないふりをする犯人からいかに真実を引き出すか。その手段の1つがポリグラフ,いわゆる「うそ発見器」だ。心拍や呼吸,発汗に関係する皮膚の電気抵抗などの変化から心の動きを読む。こうした生理的反応の変化をもたらすもとは脳の活動。ならば脳の動きを調べれば,より精度が高い情報が得られるのではないか? 実際,脳は外部から刺激を受けると無意識下で記憶と照合し,過去に体験したことの情報が,受けた刺激の中に含まれていると認識すると,特定の脳波パターンを誘発する。最もよく知られているのが「P300」,別名「脳指紋」と呼ばれる脳波パターンで,犯罪捜査への応用を目指した研究が進んでいる。
 
 
再録:別冊日経サイエンス207「心を探る 記憶と知覚の脳科学」

著者

中島林彦 / 協力:柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ) / 平 伸二(ひら・しんじ)

中島は日経サイエンス編集長。柿木は自然科学研究機構生理学研究所教授。脳波や脳の微弱磁場を測定して脳の活動を研究。平は福山大学教授で専門は生理心理学と犯罪心理学。P300の虚偽検出への応用研究に取り組む。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

脳指紋P300P3脳波虚偽検出うそ発見器ポリグラフオッドボール課題事象関連電位背景脳波科学捜査研究所BMIブレイン・マシン・インターフェステリー・ハリントン