日経サイエンス  2014年8月号

初期人類が滅ぼした肉食獣

L. ワーデリン(スウェーデン自然史博物館)

 数百万年前,アフリカには現在よりもはるかに多様な大型肉食動物が生息していた。剣歯虎(サーベルタイガー)やハイエナの祖先,巨大なクマイヌ(クマでもイヌでもない肉食動物),数種のイヌ,大型のジャコウネコなど多くの種が存在し,幅広い生態学的役割を果たしていた。これら肉食動物の多くは絶滅したが,化石の解析から,大型肉食動物の衰退は200万年以上前に始まったことが判明した。同時期,私たちホモ属の初期のメンバーは以前より多くの肉を食べ始めていた。このタイミングの一致は,食料を巡る人類との競争が大型肉食動物の絶滅を招き,他の連鎖的な生態学的変化を引き起こした可能性を示唆している。

 

 

再録:別冊日経サイエンス219 「人類への道 知と社会性の進化」

 

著者

Lars Werdelin

ストックホルムのスウェーデン自然史博物館脊椎動物化石部門の上席学芸員。専門はアフリカの肉食動物で,主に肉食動物の進化と人類の進化の関係を研究している。

原題名

King of Beasts(SCIENTIFIC AMERICAN November 2013)

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