日経サイエンス  2014年8月号

特集:素粒子論の危機

崖っぷちの超対称性理論

J. リッケン(米国立フェルミ加速器研究所) M. シュピロピュリュ(カリフォルニア工科大学)

 超対称性理論では,既知のすべての素粒子に未発見のパートナーが存在すると考えられている。それらは超対称性粒子と総称される。量子力学を拡張する際に持ち上がる様々な問題を超対称性理論によって解決できるため,多くの物理学者はこれを強く支持している。正体不明の宇宙の暗黒物質の謎も解ける可能性がある。大型ハドロン衝突型加速器LHCの実験で,超対称性理論の証拠となる超対称性粒子が探索されているが,第1期実験では発見されなかった。2015年から始まる第2期実験でも発見できなければ,超対称性理論は窮地に立たされ,物理学は危機に陥る。数十年間にわたって築き上げられた素粒子物理学の枠組みが根本から問い直される事態になるからだ。

 

【関連動画】LHCの第2期実験について

 
 

再録:別冊日経サイエンス203「ヒッグスを超えて ポスト標準理論の素粒子物理学」

著者

Joseph Lykken / Maria Spiropulu

リッケンはイリノイ州バタビアにある米国立フェルミ加速器研究所を拠点とする理論物理学者。シュピロピュリュはカリフォルニア工科大学を拠点とする素粒子実験物理学者。フェルミ加速器研

原題名

Supersymmetry and the Crisis in Physics(SCIENTIFIC AMERICAN May 2014)

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