日経サイエンス  2014年7月号

「温暖化が一服」は誤り

M. E. マン(ペンシルベニア州立大学)

 地球温暖化による環境危機が喧伝されている一方で,地球の平均気温の上昇はここ10年ほど鈍化している。気の早いメディアや人為的温暖化を疑う人々の中には「地球温暖化は一時停止した」と語る向きもある。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も上昇鈍化に影響され,最近発表した温暖化将来予測では,温度上昇を従来より低く見積もることにした。だが著者は「温暖化が一時停止と考えるのは誤り」と断言する。地球の気温が19世紀中盤から急上昇していたことを示す「ホッケースティック曲線」を発表してかつての地球温暖化論争に火をつけた気候学者が,根拠なき楽観論に反論する。

著者

Michael E. Mann

気象学が専門のペンシルベニア州立大学特別教授。2007年にノーベル平和賞を受賞した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に貢献した。近著に『地球温暖化論争―標的にされたホッケースティック曲線』(邦訳は化学同人)。

原題名

False Hope(SCIENTIFIC AMERICAN April 2014)

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ホッケースティック曲線.平衡気候感度.フィードバック効果