日経サイエンス  2014年6月号

「地球最古の岩石」論争

C. ジンマー(サイエンスライター)

 地球が生まれたのは46億年近く前のこと。初期の岩石がそのままの形で残っている例はごくまれで,最古とされる試料は39億2000万年前のものだ。ところが,カナダのヌヴアギツク・グリーンストーン帯という場所で新たに見つかった岩石はこの記録を塗り替えるかもしれない。44億年前にさかのぼるとする解析結果が2008年に発表され,大論争となっている。放射性同位体に基づく年代測定に誤りはないものの,別の研究グループはこの岩石ができたのは38億年前であって,44億年前の痕跡を部分的に保存しているだけだと主張する。現時点では勝負がつかない。この石は地球史の空白を埋める貴重な試料なのだろうか……。

 

※訂正 81ページで「ルテニウム」とあるのは「ルテチウム」の誤りでした。

 

【関連動画】放射性炭素年代測定について

著者

Carl Zimmer

New York Times紙のコラムニストで,「Evolution: Making Sense of Life」など13冊の著作がある。本誌にもたびたび寄稿しており,直近の記事は「偶然が生む生命の複雑性」(日経サイエンス2014年3月号)。

原題名

The Oldest Rocks on Earth(SCIENTIFIC AMERICAN March 2014)

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