日経サイエンス  2014年5月号

特集:無意識のわな

ステレオタイプ脅威

E. ヤン(サイエンスライター)

 もし失敗したら,自分が属する社会集団に対する侮蔑的な固定観念を強めてしまう――という心配が「ステレオタイプ脅威」だ。例えば白人の若いスポーツ選手は黒人選手を下回る成績に終わるのではないかと恐れ,高等数学を学ぶ女性は男子学生よりも低い点をもらうのではないかと心配する。この不安にがんじがらめになると,学業やスポーツ,仕事で実力を発揮できず,成績が上がらない。ステレオタイプ脅威はどのように生じるのか,どうすれば対抗できるのか,そして発生をどうすれば防げるのか。近年の研究で理解が進んできた。比較的簡単な短時間の訓練を通じて自信を強めることにより,学業成績の格差が縮まる。米国の教育者たちは,こうした訓練を州規模に拡大しようとしている。

 

 

再録:別冊日経サイエンス201「意識と感覚の脳科学」

著者

Ed Yong

英国を拠点に活動しているサイエンスライター。 Nature Wired National Geographic New Scientistなど各誌に執筆している。

原題名

Armor against Prejudice(SCIENTIFIC AMERICAN June 2013)

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