日経サイエンス  2014年5月号

フロントランナー挑む 第38回

iPS細胞を使って網膜を再生する:高橋 政代

永田好生(日本経済新聞編集委員)

網膜の難病を治療できる時代へ
現場に根を下ろす再生医療の事業化を目指す

 

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作る網膜色素上皮細胞を使って,失明の原因として3番目に多い「加齢黄斑変性」の患者を治療する臨床研究を年内に始める。iPS細胞による世界初の臨床研究だ。Nature 誌は昨年末,理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダーを「2014年に注目すべき5人」の1人に選んだ。現在,日本で最も注目を集める眼科医である。 (文中敬称略)

 

 

再録:「フロントランナー 挑戦する科学者」
再録:別冊日経サイエンス204「先端医療の挑戦 再生医療,感染症,がん,創薬研究」

高橋政代(たかはし・まさよ)
理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー。1961年大阪府豊中市生まれ。92年京都大学大学院医学研究科博士課程修了,京大医学部眼科助手に就任。米ソーク研究所研究員,京大病院探索医療センター助教授などを経て2006年理化学研究所発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究チームリーダー(12年に現職に名称変更)。先端医療振興財団先端医療センター病院眼科部長などを兼務。夫の高橋淳京大教授もiPS細胞を用いたパーキンソン病の治療法を研究している。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

iPS臨床研究黄斑変性