日経サイエンス  2014年2月号

特集:だまされる脳

編集部

 人はしばしば,現実には存在しないものが見えたり,非合理な考えに取り付かれて真実と思ったりする。こんな思い違いが起こるのは,人間の脳が元々,限られた情報から素早く結論を引き出すようにできているため,時に情報を誤って処理して,存在しない超常現象などを見てしまうためらしい。また,認知の仕組みに偏りがある場合,他者の行動の背景にありもしない意図を感じ取って疑心暗鬼に陥り,根拠のない陰謀論を信じることになる。脳がだまされるパターンは様々で,ダミーの薬が効き目を表すプラセボ効果を使いこなせば,医療の可能性が広がる。相手が認識できないメッセージを密かに流してその行動を変えられるとするサブリミナル効果は,長くその存在が疑問視されてきたが,最近改めて注目を集めている。

 

超常現象が見える理由  R. ワイズマン
陰謀論をなぜ信じるか  S. ファン・デア・リンデン
プラセボ効果の脳科学  T. グーラ
サブリミナル効果の真実  W. シュトレーベ

 

 

再録:別冊日経サイエンス201「意識と感覚の脳科学」