日経サイエンス  2013年12月号

フロントランナー 挑む 第33回

「脳波で話す」装置 難病患者のもとへ:長谷川良平

賀川雅人 (日本経済新聞編集委員)

神経難病などのために体も口も動かなくなり
周囲とのコミュニケーションを断たれてしまう患者がいる
脳波から直接意思を読み取る装置の実用化に向け,最後の追い込みをかける

 

 

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)などで体を動かせず話すことも困難な患者が脳波で意思を伝達できる。こんな画期的な装置「ニューロコミュニケーター」を開発した産業技術総合研究所の脳科学者,長谷川良平。3年前に発表した試作機は大きな反響を呼び,患者の家族らから問い合わせが殺到した。実用化には課題が残るが,「いつまでも待ってもらうわけにはいかない。早く患者さんの役に立てたい」。そんな思いに突き動かされ,製品化に向け最終的な改良を急いでいる。 (文中敬称略)

 

 

再録:「フロントランナー 挑戦する科学者」

長谷川良平(はせがわ・りょうへい)
1997年京都大学大学院理学研究科博士課程修了,京大霊長類研究所COE講師。98年日本学術振興会海外特別研究員として米国立衛生研究所(NIH)研究員,2002年米ノースウェスタン大学リサーチアソシエイト,04年産業技術総合研究所研究員,10年から現職。11年から福井大学・連携大学院工学研究科客員教授を兼任。

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