日経サイエンス  2013年11月号

特集:モノ作り革命

指令役はロボット

D. バーン(カーネギー・メロン大学)

 自動機械が工場のラインで決まり切った作業を繰り返すタイプのオートメーションではなく,ロボットと人間の作業者が互いの強みを生かして一緒に作業するほうが効果的な場合がある。例えば難しい位置決めと溶接の作業を,ロボットと人間のどちらが効率的に実行できるかに基づいて割り振り,ロボットが次の作業を指図するようにすると,熟練工チームよりも短時間・低コストで製品を完成できる。

 

 人間とロボットのこうした協働による経済効果は巨大なものになるだろう。工場の組み立てラインを整える骨の折れる作業が不要になり,装置設定の費用を何十億ドルも節約できる。特注設計の品を多額の費用がかかる設備変更なしに作り出せる。メーカーは消費者の要求に素早く対応して,製品を数年単位のサイクルではなく数週間で更新できるようになるだろう。そして作業員は,工場での仕事が常に変化することにやりがいを見いだすだろう。ロボットを奴隷ではなく監督者として使うほうが結局のところ有効であるという可能性を,私たちは認識する必要がある。

著者

David Bourne

カーネギー・メロン大学ロボティクス研究所の首席システム科学者。

原題名

My Boss the Robot(SCIENTIFIC AMERICAN May 2013)

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