日経サイエンス  2013年11月号

混血で勝ち残った人類

M. F. ハマー(アリゾナ大学)

 ホモ・サピエンスは,アフリカのサハラ以南のある場所で誕生し,他の旧人類とは交配することなしに世界中に広がったというのが,アフリカ起源説だ。1990年代以降はこれが定説になっているが,旧人類と現生人類のDNAを詳しく比較したところ,ホモ・サピエンスはネアンデルタール人をはじめとする旧人類と一部で交配していたことが明らかになってきた。地域によってはネアンデルタール人などの血を引いていることになる。アフリカ起源説には部分的な修正が必要となりそうだ。ホモ・サピエンスが旧人類から受け継いだ遺伝子は,新しく移り住んだ土地で繁栄するのに役立ったと考えられる。

 

 

再録:別冊日経サイエンス194「化石とゲノムで探る 人類の起源と拡散」

著者

Michael F. Hammer

アリゾナ大学の集団遺伝学者。現生人類の遺伝子の変異パターンからホモ・サピエンスの起源を調べている。

原題名

Human Hybrids(SCIENTIFIC AMERICAN May 2013)

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