日経サイエンス  2013年9月号

特集:越境する感覚

五感を超えた力

A. ブライチャー(科学ジャーナリスト)

 よく知られる「五感」の区別がこれまで考えられていたほど明確でないことがわかってきた。人間の感覚システムは,相互に関連付けられており,これらを組み合わせたり,異種の感覚を混ぜ合わせるような形で人間は知覚をしている。

 また,脳に損傷のある人は,特異な知覚能力を見せたり発達させたりする。目の不自由な人が,コウモリやイルカがやっているように,音の反響を利用して,障害物などを知ったりすることができる。このような例を通じて,人間の感覚・知覚の不思議な能力の手がかりが得られる。

 たとえ健常者であっても,反響定位や共感覚といった多感覚の技能を,初歩的な形で備えている可能性がある。

 

 

再録:別冊日経サイエンス201「意識と感覚の脳科学」

著者

Ariel Bleicher

ニューヨーク在住の科学ジャーナリスト。Popular Mechanics,IEEE Spectrum, The Scientist をはじめとする各誌に記事を執筆してきた。

原題名

Edges of Perception(SCIENTIFIC AMERICAN MIND March/April 2012)

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