日経サイエンス  2013年6月号

特集:天才脳の秘密

創造性の起源

D. K. シモントン(カリフォルニア大学デービス校)

 天才を生み出す要因には遺伝と経験がある。創造的な業績は,特定分野での知識習得なしには達成できないが,限られた専門知識で短期間に多くの業績を上げるには遺伝的要因が助けになる。天才は,潜在的にはネガティブな特性を精神病患者と共有しているが,こうした特性が特定のポジティブな特性と組み合わさる結果,精神病ではなく創造性が生み出される。科学界の天才は芸術界の天才とは異なる専門知識を持っているが,すべての創造的天才は,ある共通のプロセスをたどっている可能性がある。天才は瞬時に正解をひらめくわけではなく,徹底的なある種の試行錯誤をへて,答えにたどり着くのだ。

 

 

再録:別冊日経サイエンス201「意識と感覚の脳科学」

著者

Dean Keith Simonton

カリフォルニア大学デービス校の特別教授(心理学)。400を超える論文や担当章の執筆に加え,先ごろ刊行された「Great Flicks」( Oxford University Press)をはじめ10数冊の著書がある。

原題名

The Science of Genius(SCIENTIFIC AMERICAN MIND November/December 2012)

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