日経サイエンス  2013年2月号

雷雲からガンマ線

J. R. ドワイヤー(フロリダ工科大学) D. M. スミス(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)

 暑い夏の午後に湧き上がる積乱雲は雷を発生させるので雷雲とも呼ばれる。冬の日本海沿岸でも雷雲がよく現れ,その雷は「雪起こし」という別名を持つ。雷が落ちる時,まばゆい輝きとともに強い電波が放射されることは昔から知られているが,ガンマ線と呼ばれる放射線の一種も同時に発していることが明らかになった。雷雲がガンマ線を出すなど専門家ですら想像していなかっただけに,その発見は大きな驚きをもって迎えられた。膨大な数の電子が,雷雲内部の強力な電場によって加速される「電子雪崩」が原因だと考えられているが,未解明の部分が多い。

 

 

再録:別冊日経サイエンス195「空からの脅威」

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著者

Joseph R. Dwyer / David M. Smith

ドワイヤーは宇宙物理学者。雷に興味を持つようになったのは,“雷の都”と呼ばれるほど雷が多発するフロリダ中部に引っ越してから。現職はフロリダ工科大学教授。

スミスは物理学者でカリフォルニア大学サンタクルーズ校准教授。研究テーマは雷と地球の放射線帯,太陽フレアなど。ブラックホール周辺から出るX線やガンマ線の観測研究にも取り組む。

原題名

Deadly Rays from Clouds(SCIENTIFIC AMERICAN August 2012)

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