日経サイエンス  2013年2月号

特集:温暖化─揺らぐ常識

 気象庁によると今冬,東日本以西は平年より寒くなりそうだ。北米と欧州でも厳冬が予想される。両地域では近年,日本をはるかに上回る大寒波が何度も襲来している。最近10年間の世界平均気温は過去160年で最も高かったのに,なぜ厳冬なのだろう?  

 原因は近年の夏の北極海における,記録的な海氷の喪失だ。それによって大気の状態が変わり,冬の天候に影響を与えている。北極上空の冷たい空気が,北米や欧州などの中緯度地域に流れ込みやすくなり,これらの地域に厳しい寒さをもたらす。

 これまで地球の気温上昇を2℃以下に抑えれば,破滅的な海面上昇のような災難は避けられると考えられてきた。ところが,温度上昇が2℃に達する前でも,世界規模の氷の消失や,永久凍土の融解に伴う二酸化炭素とメタンの放出などによって,急激な気候変動の時代に押しやられる恐れがあることがわかってきた。

 

 

温暖化で寒くなる冬  C. H. グリーン(コーネル大学)

気候変動 想定外の加速  J. ケアリー(フリーランスライター)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

地球温暖化北極振動IPCC気候変動