日経サイエンス  2011年12月号

スペシャルリポート 都市の力

進化するソーシャルネクサス

C. ラッティ(マサチューセッツ工科大学) A. タウンゼント(未来研究所)

 昨年から今年にかけて巻き起こった「アラブの春」。エジプトやチュニジア,リビアなどで,長期独裁政権が相次ぎ崩壊した。フェイスブックやツイッターなどで交わされた議論や計画が,例えばカイロでは数百万人の抗議行動に結びついた。カリスマ的なリーダーが主導するのではなく,個人と個人が情報を交換しあう中で生まれた動きが,国を変えたのだ。

 個々がゆるやかにつながり,情報を共有し,自らの判断で動くことで,結果的によりよい生活が実現される−−−そんな動きは,そこかしこで起きている。そこでは個人は情報の利用者であると同時に発信者であり,サービスの受け手であると同時に作り手であり,地域運営の対象であると同時に主体だ。

 デジタル化がもたらした新たな人と人とのつながり「ソーシャル・ネクサス」によって変わりつつある,都市の現在をリポートする。

 

 

再録:別冊日経サイエンス189 「都市の力 古代から未来へ」

著者

Carlo Ratti / Anthony Townsend

ラッティはマサチューセッツ工科大学都市研究・都市計画学科で教え,センスエイブル・シティ・ラボの所長を務める。イタリアのトリノで建築と都市計画に携わっている。タウンゼントは未来研究所の研究部長。カリフォルニア州パロアルトにあるシンクタンクで,戦略的予測や戦略シナリオ策定に従事している。現在,都市化とコンピューターに関する著作(W. W. ノートンから出版予定)を執筆中。

原題名

The Social Nexus(SCIENTIFIC AMERICAN September 2011)

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