日経サイエンス  2011年11月号

世界を変えた日本の頭脳 ノーベル賞に近い人たち

ブレークスルーの実現者 Part 1(生理学・医学編)

青木慎一(日本経済新聞社) 古田彩(編集部)

 日本は免疫学の層が厚い。生理学・医学賞を受賞した利根川進をはじめ,アレルギーの原因となる免疫グロブリンEを発見した石坂公成,インターロイキン6を見いだした岸本忠三と平野俊夫,インターフェロンβとインターロイキン2の遺伝子を突き止めた谷口維紹,クラススイッチの分子機構を解明した本庶佑らが名を連ねる。当初免疫を研究していた長田重一は、後に細胞死の「自殺」,アポトーシス研究で知られるようになった。

 脳画像技術の分野でも日本の貢献は大きい。小川誠二はMRIで脳に何が「ある」かではなく,脳のどこが「働いている」かを見る道を開いた。小泉英明は磁気でなく光を使うことで,ごく普通に活動をしている時の脳を測定できる光トポグラフィを開発した。

 利用者が多い成果といえば,遠藤章によるスタチンの発見にとどめを刺す。アオカビから発見したコレステロール合成阻害剤で,全世界で3000万人が服用している。

 日本のノーベル賞受賞者はこれまで物理学・化学分野に多かったが,今後は生理学・医学賞でも存在感を増していきそうだ。

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