日経サイエンス  2011年2月号

フロントランナー 挑む 第2回

「はやぶさ」カプセル帰還輝く大気圏再突入技術:山田哲哉

中島林彦(編集部)


太陽系を7年間60億キロを旅した小惑星探査機「はやぶさ」

地球帰還カプセルは,まばゆい光点となって南天の夜空を駆け抜けた

その輝きは,日本が培った大気圏再突入技術の輝きでもあった

 

 

 2009年11月初め,小惑星探査機「はやぶさ」は満身創痍になりながらもイオンエンジンを噴かし,地球に向けて航行を続けていた。帰還カプセル担当の山田哲哉は翌10年6月のカプセル大気圏再突入に備え,着陸地となるオーストラリアの当局との折衝などで忙しい日々を送っていた(隕石などの天体ではなく,探査機や宇宙船が地球に帰還する時は大気圏“再” 突入という)。そんなある日,イオンエンジン担当の國中均が,常ならぬ暗い顔で山田の前に姿を現した。(文中敬称略)

 

 

再録:「フロントランナー 挑戦する科学者」

山田哲哉(やまだ・てつや)

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所准教授。東京都出身。1993年東京大学大学院工学系研究科(航空学専攻)博士課程修了。文部科学省宇宙科学研究所(現在の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)に入り,同研究所助手を経て現職。専門は高温空気力学,再突入飛翔体の熱防御など。趣味は水泳と音楽鑑賞。

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はやぶさイオンエンジン